小さな熱帯魚のミニ水草アクアリウム
小さな水槽での熱帯魚飼育というと、水が汚れやすかったり熱帯魚が長生きできなかったり、そんなイメージをもたれる方も多いかもしれません。
しかしながら小さな水槽には小さな水槽なりの管理の仕方や設備があり、それらをきちんと踏まえて飼育を行うのであれば、決して小型水槽での熱帯魚飼育が難しいということはなく、そればかりか愛情を持って正しく管理され、ますます体調の良くなった熱帯魚は輝きを増しながら美しい成魚へと成長し、天寿を全うしてくれます。
そこで、このサイトでは小さなアクアリウムの専門サイトとして、小さな水槽での熱帯魚飼育に必要な器具や、初めての方でも熱帯魚を美しく健康に育てられる秘訣をご紹介していきたいと思います。
宝石のように輝く熱帯魚が水草いっぱいの水槽を泳ぎまわる様子は、一日の疲れなど全て忘れさせてくれるほど魅力にあふれ、そして水草の緑は目にも優しく、長時間のパソコン作業の合間の気分転換としても最適です。
また、小さな熱帯魚だけのミニアクアリウムなら、わずかな空きスペースにも美しい熱帯の水中風景を取り入れることができますし、小さな水槽は女性でも管理がしやすく、保温のための電気代も少なくて済み、初めて熱帯魚を飼育される方にも手軽に始めることができます。
決しておすすめはできませんが、条件によっては写真のようにベタのオス同士を一緒に飼育することも不可能ではありません。【関連記事】ベタのオス同士の混泳
しっかりした台の上であれば、ちょっとした空間を利用してプライベートなアクアリウムを構築することができます。重量も60センチの水槽に水を入れれば60キロにもなりますが、5リットルの水槽であれば備品を含めても10キロにもなりません。
また、60センチ水槽を置くスペースがあれば、30センチ水槽を縦に三つならべることができ、60センチ水槽用のライトがぴったり収まります。それぞれの水槽には、色とりどりの熱帯魚を入れる混泳用、一種類のペアだけをじっくり育てる繁殖用、稚魚を育てるための育成用、という具合に用途に合わせて使用することもできます。
ガラス水槽は水が入っていなくても意外に重く、60センチもの大きさとなればそれなりに掃除も大がかりなものとなってしまいますが、小さな水槽なら取り回しも簡単で掃除やセッティングの時も、より安全に持ち運びができます。
また、水槽の中に、熱帯魚、水草、濾過バクテリア、光、エサの調和を得ることにより、水換えをほとんど行わずに飼育することも可能です。高性能の濾過器を「正しく」使用することで、調和はより安定したものとなり、やがて小さな水槽に驚くほど多くの熱帯魚を入れても理想的な環境を維持できるようになります。
熱帯魚を飼育するには冬季に保温をする必要があります。一般的な室内においては60センチ水槽であれば150ワット以上のヒーターが必要になるでしょう。これが例えば5リットルの水槽であれば10ワットのヒーターでも飼育することができるのです。これだけを見ても電気代の差は歴然です。
ただし水槽や器具は安さだけで選択するのはおすすめできません。美しいアクアリウムを手に入れるための大切なポイントのひとつとして覚えておいていただきたいのは、予算は熱帯魚ではなく「器具とエサにかける」ということです。
大切に管理された熱帯魚は、例え50円で購入した熱帯魚であっても数万円の熱帯魚にも決して引けをとらないほどの美しさで応えてくれます。熱帯魚の飼育において器具とエサは、熱帯魚の状態に極めて大きな影響を及ぼすことを常に意識しておくことが大切です。
将来、大きな水槽で熱帯魚が飼育したくなった時にも、小さな水槽はいじめられたり病気になった熱帯魚の療養水槽としても重宝し、水槽が無駄になりません。
また、ある特定の種類に夢中になってしまったら、その種類を地域ごとに飼育してみたくなるかもしれません。そうなれば必然的に水槽の数は増えていきますが、ここでも小さな水槽は大活躍します。
たくさんの小さな水槽が整然と並んだ光景は、見ているだけで夢が膨らみます。
熱帯魚飼育が上達する早道は水槽をたくさん増やすことではなく、まずはひとつの水槽を徹底的に管理することです。
これにより水槽環境が最高の状態に至る過程について理解ができるようになり、これは熱帯魚の飼育書にも載っていないような未知の問題を解決するための指標となります。
そしてそれは同時に熱帯魚が持つ本来の美しさを引き出します。よく泳ぎ、元気にエサを食べている状態よりも、更に上の状態があることがわかるはずです。熱帯魚が最も状態の良い時の姿を知っておくことは、その水槽の環境が熱帯魚にとって適切であるかどうかを判断する際に大いに役立つことでしょう。
中途半端に管理された水槽だけが増えていくような状況では、中途半端な状態の熱帯魚と、中途半端な知識だけが積み重ねられていってしまいます。十分な余裕が持てるようになるまでの間、大切な熱帯魚のためにも持てる愛情と予算は一つの水槽だけに注いであげましょう。
大型水槽にかける予算を小さな水槽にかけることができるのであれば、そこには大型水槽以上の理想的な設備を整えてあげることができ、それによってアクアリウムのクオリティも飼育者の経験も、より確かなものとなります。
わずか数リットルの世界に大自然の魅力を凝縮する、これがこのサイトのテーマです。
人工飼料だけで飼育できる美しい小型熱帯魚をセレクトしました。ここで紹介している種類なら、みんなひとつの水槽で楽しく飼育することができます。
熱帯魚は生息地の水質によってそれぞれ適した水質があり、特にPH(酸性かアルカリ性か)と硬度(水中のマグネシウムとカルシウムの量)が重要とされていますが、実際は急激な変化さえ与えなければ多くの種類が水質に対して驚くほどの順応性を発揮します。
なお、水質は底砂の影響を受け、ソイルを敷いた水槽では弱酸性の軟水となり、サンゴ砂を敷いた水槽では弱アルカリ性の硬水となります。中性の水質を好む熱帯魚には、水質に影響を与えない人工砂もおすすめです。
底砂にはソイルが適している熱帯魚たちです。水草にとってソイルは理想的な土壌なので、特に水草水槽に向いています。この水質を好む小型熱帯魚も多く、様々な種類の中から好みの熱帯魚を見つける事ができるでしょう。
底砂には観賞魚用の人工砂(クリスタルサンドなど)がおすすめです。水道水の水質は地域によっても異なりますが、だいたい中性に近く調整されていることが多いため、ここにあげた熱帯魚を飼育する場合には、できるだけ早めの水換えを心がけると良いでしょう。少しづつ慣らせば弱酸性の水でも弱アルカリ性の水でも飼育することができます。
底砂にはサンゴ砂や人工砂などが適しています。新しい水を好みますので、水換えはこまめにしてあげましょう。養殖が盛んになされている種類であれば、人工繁殖によって代を重ねるうちに様々な水質にも順応できるようになっている場合が多く、このような熱帯魚なら弱酸性の水でも元気に育てることができます。