熱帯魚

熱帯魚の水草|小さな熱帯魚の楽しみ方

熱帯魚の水槽に入れたい水草を解説しています。

水草について

水草は美しいだけではなく、熱帯魚水槽の中に安全な環境を作り出すためにも、たいへん重要な存在です。

水草が元気な水槽では熱帯魚に有害な物質であるチッ素化合物を吸収し、それを養分とするコケを抑制、また、光合成によって作り出された酸素によって、多くの酸素を必要とする濾過バクテリアはますます活発に水を浄化し、きれいな水で元気になった熱帯魚は濾過バクテリアが分解しやすい十分に消化された老廃物を排出するという、理想的な循環がなされます。

また、稚魚や卵の隠れ家や、いじめられた熱帯魚の逃げ場所としても、水草はとても有効です。特に小さな熱帯魚であれば、大きな熱帯魚のように水草を引き抜いたりする種類もほとんどいませんし、底砂にサンゴ砂などを敷かない限りはできるだけ水草を植えておくことをおすすめします。

なにより、水草はそれ自体がとても美しく、これほど魅力的な植物を植えないというのは、もったいないというほかありません。

ところで水草は主に海外の水草ファームによって生産されていますが、その多くは葉を水上に出して陸上葉の状態で育てています。これはその方が簡単な設備で大量に生産することができるからです。

このとき、一般の作物と同様に病害虫から葉を守るための農薬が使用されています。農薬は多くの場合、問屋やショップでストックされている間に安全な濃度にまで薄められていきますが、卵生のメダカ類など、熱帯魚の中には、こうした残留農薬にさえも重大な影響を受けてしまう種類がいます。

そのため、新しく入荷したばかりの水草をいきなり大量に水槽へ持ち込むことは避けた方が無難です。水草を購入する際には、ショップの店員さんに入荷した日を聞いて、一週間以上が経過しているものだけを選んだり、毎週、少しづつ追加していくのが安心です。

なお、このサイトではグラミーなども紹介しているため、食べられてしまう危険のあるビーシュリンプなど淡水エビの仲間を入れることはおすすめしていませんが、エビは微量の農薬によっても数時間で死滅してしまいますので、もし淡水エビを飼育したいと思われている場合には、十分な経験を積むまでは水草は一本たりとも植えない方が安心です。

水草の植え方

水草は専用の長いピンセットを利用して植えます。背の高い水草は水槽の高さに合わせて切り揃えておきましょう。この場合も、サビにくく切れ味の鋭い水草専用のハサミを使います。

水草を切る位置は、葉がついているふしより3ミリくらい下が良く、葉ごと底砂に植えます。こうすることで根が生えるまでの間、葉が根の代わりとなって水草が底砂から抜けてしまうのを防いでくれます。底砂の中では枯れた葉が腐りますので、葉が大きな水草の場合は半分くらいに切りそろえておくと良いでしょう。

背の高い水草は後方と左右に、中央の空いたスペースには小さなアヌビアスを一株だけ植えたり、前景用の小さな水草を芝生のように植えるだけで、手軽に美しい水景ができあがります。水草の種類はできるだけ少なめにしておくのが、小さな水槽で美しい水草レイアウトを完成させるためのコツです。

小さな水槽では水草をあまりたくさん植えると熱帯魚の泳ぐスペースがなくなってしまいます。熱帯魚の数に応じて、十分に泳げるだけの広場を作ってあげることが大切です。

また、水草が伸びてきて葉が水面に達してしまうと、エサが引っかかってしまったり、水面によどみができたりしますので、伸びてきたら半分くらいに切って、元の位置に植え戻してあげます。


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